敷金返還 危ない契約書


敷金返ってくるか不安です危険な契約書敷金鑑定士

不動産屋さんと入居時に賃貸借契約を交わしますがこれは、形式的な作業であり
契約書に署名・捺印しても、契約書に特約があり署名・捺印しても、念書・覚書に署名・捺印しても絶対的事項ではないので泣き寝入りする事は、ありません。

仲介手数料は家賃の半額払えばいいんですよ。皆さん知ってました?
仲介手数料の解説皆さん仲介手数料は家賃の半額を払えばいいことをご存知ですか?
これは宅建業法で決まっており、住居を借りる場合は借主が50%を支払えばいいことになっています。

宅地建物取引業 第46条第5項

居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一カ月分の〇・五二五倍に相当する金額以内とする。

上記の承諾を得ている場合とはつまり

「仲介手数料は本来であれば家賃の半額でいいのですが、今回は家賃1ヶ月分を払ってもらうことになるけどもそれでも宜しいですか」という説明です。

この説明が不動産屋さんからなければ、仲介手数料を半分返して下さいという返還請求をすることもできます。
不動産屋さんは仲介手数料の内訳について明確に提示しなければ消費者契約法に反する場合もあります。殆どの不動産屋さんがそのことを知っているけども借主に伝えることがありません。

この説明をしなかったとして数年前に不動産会社が
宅建業法違反で行政処分され一時営業停止の処分を受けました

この仲介手数料の取り方は、最近問題になっている東京電力の電気代値上げ問題ととてもよく似ています。
東京電力は大震災の影響で電気使用者に対して電気料金の値上げをお願いする際に安くなる方法があるのに一切説明をせずに一方的に○○円かかりますと言っていたのと同じことです。

※ 最近では仲介手数料は家賃の半額若しくは仲介手数料なしという物件も増えています。

敷金については退去前後に敷金を返して下さいと不動産屋に電話すると契約書に書いてあるからその通りだ、敷金は返すことができない、と言われると殆どの方がそこで諦めてしいますが、諦めるとそのお金は全て貸主側の収入になります。貸主側も電話で借主に強く言い、一歩も下がらないし、安くもしないという姿勢を見せれば皆さん諦めるとわかっているのでそれはもう必死です。
そのような場合は、敷金を返して下さいとする書類
自分でできる書類作成又は敷金返還のお願い書又は内容証明を提出してみて下さい。対応がガラッと変わりますよ。又、敷金では足りないと追加請求され何度も督促されている場合も書類を提出することによって請求がピタッとやむことが多いですよ。貸主側も電話では何ともいえますが、正式な書類を提出されると中途半端な回答ができないので敷金を返してくることが多いです。
※自分でできる書類作成の中に「仲介手数料の一部を返して下さい」という書類がありますので、一部編集して提出してみては如何でしょうか、
 自分でできる書類作成はこちら

最高裁判所 昭和43年1月25日判決では、
特約として「契約書に借主負担」と書かれていても
借主は入居した当時の状態にしなければいけない義務はなく、そのお金も借主が負担する必要はないとしております。
但し、壁に穴を開けた場合や、キズ、汚れをつけた場合は一部を支払わなければいけません。

契約書に署名・捺印しても借主には支払い義務がないと最高裁判所は判断しております。



日本の法律に借地借家法がありその中で、借主を保護するために、
借主に不利な特約は無効とすると定めています(借地借家法第30条、第37条)。 よって大家さん・不動産屋さんが契約書に書いてあるからといっても最終的には、国が定めている法律に従わなければいけなくなります。又、平成13年4月1日消費者契約法が施行されました。内容は「消費者の利益を害するものは、契約そのものを無効とする」とした。今までは借主が不利になることばかりを契約書に記載し一方的に金銭を要求し、こわしてもいないのに預けた敷金から差し引きクレームを入れると「契約書に書いてあり印鑑も押してある」と強引な請求が続いた為、国が救済措置として消費者契約法を施行したのであります。

入居期間の長短及び使用状態に関係なく一方的に借主に支払いを押し付けるのは消費者契約法第10条に違反します。通常の使用をいていれば壁、畳、床は汚れ、いずれ交換しますが、その代金は毎月の家賃の中に含まれ減価償却費とし借主が払っていることになっております。通常の汚損や損耗は大家さんが当然予想しその事を前提に家賃も決定しているからです。

敷金精算とは入居時の契約と退去時に借主の方がお部屋に落ちない汚れやキズをつけていないかで、判断しなければならず、入居時の契約書に署名・捺印しても必ず全てを払わなくてはいけないというわけではなく地域や建物によって精算方法が変わるということもありません。又、退去時にサインをしない理由で敷金が返還されないわけではありません。実際に裁判所の判例では、本来借主が支払う必要ないものを契約書に記載し負担させようとしたことについては「詐欺」裁判官が述べ、借主には支払い義務がないとしました。

↓判決文はこちらからご覧下さい

 

福知山簡裁(平成15年4月4日判決文) 福知山簡裁(平成15年4月4日判決文のつづき)
無料相談はこちらからできます。


契約書には注意して下さい

1、借主は礼金として家賃の1ヶ月分を支払いいかなる場合においても礼金は返還しません。


このような場合、契約する際に礼金を家賃の1ヶ月分として5万円入れたとしましょう、2年契約で入居した場合でも何らかの理由で退去することがあります。この場合、6ヶ月で退去したら37,500円返してもらえ、1年で退去したら25,000円返してもらえ1年6ヶ月で退去したら17,500円返してもらえることになります。1年11ヶ月までは礼金は月割り計算をして返してもらえることになります。→ 平成23年3月18日大阪簡易裁判所判決より

契約書には注意して下さい

1、借主は本物件明け渡しに際し畳の表替え、障子張替え、襖の張替、クロス張り替えに要する費用は借主が負担するものとする。

↑ 100%借主負担とする一方的な契約書で内容は殆ど支払命令です。今現在でもほとんどの契約書がこのような文章ですが良心的な業者は通常損耗を除くと記載しています。
@畳の表替え・障子の張替え・襖の張替え 
不動産屋さんは、契約書に借主負担と書いてあるので支払って下さいと言いますが、契約書に借主負担と記載してあっても落ちない汚れや、キズをつけた枚数のみ、借主負担になります。
Aクロスにキズ・落ちない汚れをつけていない場合は、張替え費用を支払う必要はありませんが、クロスにキズ・落ちない汚れをつけた場合、張替えるのは、キズ・落ちない汚れをつけた壁1面のみで良く、1つの面を張替えた為、他と色が合わなくなり色合わせの為に他も張替える場合はその部分の負担は大家さんになります。入居年数3年で6畳間の壁1面を張替えた場合の借主負担金は工事代金の50%負担(国土交通省のガイドラインによる借主負担率)約4200円程度で、6年以上入居の場合で、6畳間の壁1面を張替えた場合の借主負担金は工事代金の10%負担(国土交通省のガイドラインによる借主負担率)約840円程度の負担で十分です。
↓ ここがポイント
※クロスを張替えなければいけないのは借主の故意(わざと)、又は過失(誤って)で破損させた場合です。
「カッターナイフで切りきざんでも」
子供がクレヨンで落書きしても」
「タバコのヤニで黄色く変色しても」(クリーニングで落ちる場合は借主に負担義務はなし)
張替え料金を計算する場合、国土交通省ガイドラインの入居年数による負担率(工事代が安くなる)を必ず使用します。

6畳間の部屋(壁1面の幅3.64m×天井までの高さ2.3m)で1面の壁を張り替える場合の費用計算としては、材料代・工賃込みで1u当たり1000円程度(地域により若干異なります)で計算するとします。

8,372u(壁1面の幅×壁高さ)×1u/1000円=8372円(小計)

2年入居した場合の借主負担金  
8372円(小計)×68%(国土交通省ガイドラインの借主負担率)=5692円(借主負担金)
※6畳間の壁紙をすべて張替えても入居2年ですと2万3千円程度の支払いですみます。

6年入居した場合の借主負担金 
8372円(小計)×1%(国土交通省ガイドラインの借主負担率)=83円(借主負担金)
※6畳間の壁紙をすべて張替えても入居6年ですと120円程度の支払いですみます。




契約書には注意して下さい

1、退去時のハウスクリーニング費用は借主の負担とする。

↑ 100%借主負担とする一方的な契約書で内容は殆ど支払命令です。今現在でもほとんどの契約書がこのような文章です.契約書に記載され署名捺印しても基本的に支払い義務はありません。借主は退去時に「はき掃除、ふき掃除、ゴミの撤去、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れ除去」をし部屋を明け渡せばよく専門業者によるハウスクリーニングは大家さんの都合で次の入居者を確保するための行為と裁判所も判断しております。
但し、ペットを飼っていた場合は、借主負担になる場合があります。
↓ ここがポイント
つまり、クリーニング費用を払うということは「次の入居者のためのお金をあなたが支払う」ということです。→ 判決はこちら


※借主の方が汗水流して貯めたお金を簡単に持っていかれるのは悔しくありませんか、又、支払わなければいけない金額は殆どが
「次に入居する人の為に支払うお金です。」
しかしその部屋に次、誰かが必ず入居するとは限りません。もし入居しなかった場合、借主が退去するときに支払ったお金は、・・・・・」


 契約書には注意して下さい

1、退去時又は退去後、いかなる場合においても異議申し立てができません。


契約書に記載されており署名捺印しても異議申し立てはできます。
借主の方は契約をすると「敷金返還請求権」という権利を持っていますので、
異議の申し立ては、いくらでもできます。逆に、このようにあえて借主に反論させないような内容にした場合、後々裁判になった場合、貸主側の印象は、悪くなります。

1、本契約において、退去後、敷金問題について裁判をする場合、貸主(大家)の住所地で裁判をする。


このような場合」又は、「これ以外の場合でも」
裁判は、物件所在地で開かれることが多いですが、退去者の新住所の管轄裁判所に裁判の申請をすることもできます
借主が退去したマンションが東京都千代田区で、貸主個人の住所が契約書では大阪になっている場合でも裁判が開かれるのは、基本的に退去したマンションが存在する東京都千代田区になります。

契約書に貸主(大家さん)の住所で裁判をすると記載されていても退去者の新住所の管轄裁判所に裁判の申請をすることもできます。よって貸主側は、大阪から裁判の度に東京まで来なければいけないような場合もあります。又、不動産屋さんが大家さんの代理人として裁判に出ることを裁判所は認めません。
※ 借主の方が遠方に引っ越した場合、引越し先の裁判所に少額訴訟の申請は、できます。

契約書には注意して下さい

1、賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書(東京ルール)に基づき以下の項目は、借主負担とする。
 @ルームクリーニング費は、借主負担。
 A畳の表替え費用は、借主負担。
 Bクロスの張替えは、借主負担。
 Cカギの交換は、借主負担。
 その他も借主負担。


入居の際、契約書に特約で上記のように記載され「東京における住宅の賃貸借に係る紛争防止に関する条例第2条の規定に基づき説明します。」と説明を受けても退去時に支払う必要は、ありません。

賃貸住宅紛争防止条例(東京ルール)とは原状回復等に関する
@民法などのA律上原則やB判例により定着した考え方を宅地建物取引業者が説明することを義務付けたものです。
※ @民法上、借家契約の対象物件の修繕義務は家主が負う(民法606条)
※ A借地借家では、借主に不利な特約は無効とする(借地借家法第30条、第37条)
※ B平成17年12月16日判決 最高裁判所敷金返還請求事件
最高裁は「裁判官全員一致の意見で」借主に通常損耗の支払い義務はないとして本件を大阪高等裁判所に差し戻すと判断しました。
@、A、Bに基づき東京ルールは決定しておりますので、消費者が不利になるような契約書は無効になります。

「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書」と記載してある書類を提出されてもこれは、東京都が決めた契約書ではなく業者が独自に作成してあるものなので、そこは、勘違いしないで下さい。
他の県より東京都民だけが、不利になる条例を作ることは、ありません。
心配な方は、都庁に電話で確認して下さい。とても親切に教えてくれます。

契約書には注意して下さい

            【 区分表第1 】  借主が退去時に費用負担する範囲

項 目

修 理 基 準

修 理 内 容

修 理 範 囲

へこみ・汚損・破損

畳表替え・畳表替え

1室単位

汚損・破損

襖張替え

1室単位

クロス

汚損・破損

クロス張替え

1室単位

↑畳・襖・クロスは契約書に1室単位記載してあっても落ちない汚れや、キズをつけた枚数のみ、借主負担になりクロスの場合は、壁1面のみになります。1枚(1面)張替えることで他と色が合わなくなっても他の部分は通常損耗といい張替え料金は毎月の家賃で支払っていることになっておりますので2重で支払う必要はありません。又、地域や建物によって支払いを1室単位とすることもできません。あくまでも落ちない汚れや、キズをつけた枚数のみの負担になります。
→ 国土交通省ガイドライン 22ページ・23ページに記載


契約書には注意して下さい

【 責任区分が不明確な場合の責任負担 】

 

入居年数

  3ヶ月以内

 3〜6ヶ月以内

  6ヶ月〜1年以内

 1年以上

   項 目

賃貸人

賃借人

賃貸人

 賃借人

賃貸人

賃借人

 賃借人

100%

 0%

50%

 50%

100%

100%

 100%

100%

 0%

50%

 50%

100%

100%

 100%

クロス

100%

 0%

50%

 50%

 50%

 50%

 100%

「賃貸人」とは、大家さんのことです。「賃借人」とは借主のことです。


↑ 敷金精算問題で貸主・借主どちらかが支払わなければいけない場合、双方0〜100%負担とすることはできず裁判所の過去の判例でも、グレーゾンについては全て通常損耗(日常生活でつくキズ・汚れ)になり全て貸主負担と判断しております。
以下の例がそうです。
1.入居者が変わらなければ、取り替える必要のない程度
2.入居者が変わらなければ、そのままにして置く程度
3.10年近く賃貸していたことを考慮すると、時間の経過に伴った自然の損耗
東京簡裁平成7年(ハ)第55584 東京簡裁、平成7年(ハ)315号

↓ここがポイント

畳やクロス、その他に落ちない汚れや傷をつけた場合でも本当に借主が支払わなければいけない場合の判断は → こちらを参照してください。

契約書の入居年数だけを基準として落ちない汚れや傷をつけていないのに借主が支払わなければいけないということは、ありません。

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